日本消化器内視鏡学会総会に参加してきました
2018.05.14
おはようございます。
院長が5月10・11日と第95回日本消化器内視鏡学会総会に出席して参りました。
大変興味あるセクションが多い中、拝聴したなかでも特に
サテライトセミナー2(大腸腫瘍への治療戦略)
シンポジウム2(下部消化管病変における画像強調内視鏡-Image Enhanced Endoscopy:
IEE の現状と将来は、明日からの内視鏡診療に役立てたいと思う内容で非常に有意義な時間となりました。
また、5月11日は大腸腫瘍患者に対するクルクミンの発癌予防臨床臨床試験(無作為二重盲検試験):
Japan colorectal tumor prevention study: randomized controlled trial of curcumin
(J-CAP-C Study)の班会議に参加致しました。
当クリニックも昨年秋から倫理審査委員会の承認(徳島大学に依頼)も通り、
この春から本格的にこの臨床試験に参加できる体制になりました。この臨床試験は、世界でも初めての試みでございます。
【 クルクミン 】 はひとつの食品であり、
服用による副作用もほとんどなく安全性は非常に高く、カレーのスパイス中に含まれるポリフェノールと言われており、細胞増殖の抑制・アポトーシスを誘導することが報告されています(in vitro:イン・ビトロ/ヴィトロ)。
ちなみに、カレーを高頻度に食べているインドでは大腸がんの罹患率が明らかに低いと報告されています。
また、動物の大腸発がんモデルを用いた研究でも、がん発生率を有意に抑えることが報告されています。
さらに、ヒトにおいては、家族性大腸腺腫症患者にクルクミン(及びクオセチン)を6ヶ月間投与したところ、ポリープの数、大きさともに50%以上減少することが報告されました。
その結果、クルクミンが大腸腫瘍・腺腫に対する抑制効果は十分に期待されていますが、その効果を証明した臨床試験はこれまでに行われていません。そのため、今回のクルクミンの発癌予防臨床試験は大変興味深く、今後の大腸がん予防に繋がる可能性を秘めています。
当クリニックもこの臨床試験のメンバーとして一丸となり、微力ながらも一所懸命、大腸がん撲滅に努めて参ります。